2012-02-26

一眼レフは小型化がカギ

ミラーレス一眼の台頭!


  今まで、デジタル一眼レフというと、APS-Cサイズであっても、女性などからは敬遠されていました。その原因が、やはり大きくて重い、高価で可愛くないというものだった訳です。
そこへ、ミラーレスというデジタル一眼カメラを市場に投入して、コンパクトデジカメよりは、やや大きいのですが、おしゃれで軽量、リーズナブルでいて、デジタル一眼レフの良さでもある”レンズ交換ができる”と好評を得たのです。

  では、一眼レフとこの ミラーレス一眼 の違いは何かというと、 一眼レフカメラ では、ミラーとプリズムによって作られる光学式ファインダーで被写体を見る方式(レフレックス方式)です。

  一眼レフでは、シャッターを切るときに、このミラーをしまって、直接、イメージセンサへ撮像を結んで撮影できるんですね。 ミラーレス一眼 では、このミラーを省略することによって、背面の液晶モニターあるいは 電子ビューファインダー によって、被写体を確認する方式のことをいいます。
明るい戸外では、太陽光などで見づらい場合が多いんですよ。

  だらか、今もファインダーが必要とするユーザーが多いんですね。
「じゃぁ、もうすべて ミラーレス一眼 で良いのでは?」と思うところですが、まだ光学ファインダーの方が、断然、優れて視認性が良いといわれています。

  ミラーレス一眼 ブームの代表格が オリンパスPEN E-PL2 をはじめ、パナソニック GF1 ソニーのα NEX-5NEX-3 などの製品ですが、2012年CP+2012 in Japna の前後を機に、他メーカーから続々と新型ミラーレスが発売されてきています。富士フィルムも2012年2月8日 FUJIFILM X-Pro1 で参入を果たしました。

  今は、HD動画もビデオ専用機よりはお手軽に撮影でき、しかもAPS-Cやフォーサーズ、マイクロフォーサーズ機などイメージセンサーが大型で高画質であると、この ミラーレス一眼 ブームが2011年9月以降から、非常に激しくなって来ていると言えます。

  この傾向は、しばらく続くものと思われ、2大カメラメーカーのうち、ニコンは、2011年9月21日(水)にNikon 1 V1J1 という、1インチのイメージセンサー機で、参入を果たし、あとはキヤノンのみとなっています。そのほか、ミラーレスを発表していないカメラメーカーとしては、SIGMAとCASIOくらいとなっています。

Foveon X3センサって?

次世代イメージセンサーvs.CMOSセンサー+CCDセンサー

SD1 Foveon X3 (Merrillセンサー)
 FoveonX3では、単板であるにも関わらず原理的には光の3原色をそのまま取り入れた画像を生成することができ、ベイヤ配列のセンサーでは演繹補完による画像生成を行なうため、”偽色”とよばれる実際には存在しない色が発生するといいました。

 原理的に、FoveonX3 センサーでは、3原色それぞれのセンサが同じ位置に配置されていて、原理的に偽色は発生しないという優れた特徴を持っています。

通常のCMOSセンサーなどは、この偽色を防ぐため、”ローパスフィルター(以下「LPF」という。)”っていう、とても小さなレンズ群の板をカラーフィルタの上に重ねているんですが、これが光の透過に影響して、わずかに鮮明度を落とす原因であるといわれています。

 だから、一部の大型CCDセンサーでは、潔くこのLPFを取っちゃった製品が使われています。これは、偽色やモアレが発生しやすい、模様があるんですね。

 多くの皆さんもテレビを見ていたり、カメラのレンズをのぞいていて、ネクタイや洋服の縞柄やなみなみのトタン屋根の建物などの”縞模様”や”幾何学的な模様”や”柄”なんかを撮影していて経験があるのではないでしょうか。

 そんな偽色の発生がそもそも少ない、山や谷、海、川などの自然の風景撮影が主体の大型中判デジタルカメラでは、そもそもLPFなんか必要ないじゃないか、ということで、これをとっちゃった製品が最近は出てきています。その例がPENTAX 645Dです。このPENTAX 645Dの場合は、CCDセンサーを搭載しています。

 また、2012年の2月7日に発表された Nikon D800E は、このLPFを取り除かず、 2枚のLPFの偏向フィルター特性を逆向きになるように、つまり、通常のLPFは、光を複屈折させ、μmレベルに微細の4重像を生成することで、モアレをボカス手法を行っていますが、Nikon D800E の場合は、1枚目のLPFを通った光路の画像を、2枚目のLPFに、逆向きの複屈折するLPFを入れて、物理的にLPFの効果を打ち消すという手法を採っています。


 
SIGMA SD1 Merrill
 ジェネレーションネームMerrillについて
 SIGMAでは、SD1 Merrill を発表した際、「革新的な画像キャプチャシステムを開発したエンジニアのひとり、故ディック・メリル : Dick Merrill (1949‐2008)は、優れた技術者であり、また才能あふれる写真家でもありました。アーティスティックなマインドを具現化する高度なテクノロジー。写真に対するSIGMAの変わらぬ信念と情熱を込め、新生Foveonの初代ジェネレーションネームにMerrillの名を冠しています。」

デジカメの高画素化って?

高画素化の小歴史

 皆さんは、デジタル一眼レフに限らず、コンパクトデジカメでも携帯電話のカメラ機能にだって、まず何百万画素なの?って、気になりませんか?

 なりますよね!それほど、デジカメの画素数というのが、世間一般にも浸透しています。それは、高画素なデジカメ(デジカメって言葉は、日本国内では三洋電機などの登録商標なんです。)ほど、高画質!というイメージが、もう私たちにとっては常識として定着してしまっているんですね。

 では、発売初期のデジカメってどんな画素数だったのか。ご存じですか?
 デジタルカメラの黎明期には、1995年4月の CASIO のQV-10などがありましたが、この機種は非常に当時としてはコンパクトで、25万画素もあったんですね。で、6万5千円でした。

 な~んだ、たった25万画素?って思うでしょう。実際に画質的には、とうてい見るべきものはなかった訳ですが、それはそれで、当時としては画期的な製品でした。でも、まだまだプロカメラマンが手を出すには、ほど遠い存在でした。

 同じ年の6月発売、1/2型 41万画素 CCDを搭載したOLYMPUSのDELTIS VC-1100II HSは、画素数では約2倍となりましたが、なんと248,000円もしていました。今なら、フサイズのデジタル一眼レフが買えちゃいそうな値段ですよね。
Nikon D1
そして、そして、やっと、1999年にニコンから23.7×15.6mm サイズ CCD、総画素数 274 万画素、有効画素数 266 万画素の Nikon D1 が約65万円という価格で登場しました。

 これで、ようやくプロカメラマンが使いだしたんです。プロユースとして、デジタル一眼レフカメラが存在感を増して、フィルムの一眼レフカメラを脅かす存在となってきたんですね。


 どんなカメラでも、やはりプロが使用するようになって、初めてそのジャンルでは、ちゃんとした製品といえるんじゃないでしょうか。

 それまでは、高価な趣味や超マニア向けといっても過言ではありませんよね。

 その後は、各カメラメーカーは、競い合うように高画素化したデジタル一眼レフカメラやコンパクト・デジタルカメラを、また携帯にも高画素のカメラ機能が付いた製品が開発され、人気を得て、販売されてきた。逆にフィルムのカメラ製造からは、現在、ほとんどのメーカーは撤退を余儀なくされ、僅かな大手カメラメーカーしか、今は銀塩(フィルム)カメラを製造していないという訳です。

画素って何メガあればいいの?

画像の使用目的からの画素数


 ところで、画素数って、私たち一般のカメラ愛好家が使うには、いったい何万画素くらいあればいいんでしょう。もちろん、時折、展覧会などを開く、セミプロという方も念頭に入れましょうね。

 液晶ディスプレイが常識の最近は、自宅のPC画面は大きくなりつつあります。ハイビジョンが一般化して、もはやハイビジョンディスプレイではないPCや家庭用TVを探すのが難しいくらいの時代となってきました。

 特にフルハイビジョンを考える必要があるでしょう。それは、現代では、写真としてペーパーで印刷するだけの時代ではなく、家庭用の大型液晶フルハイビジョンTVをディスプレイとして利用して、お子さんの七五三や運動会風景などをスライドショウで楽しまれている方も多いのではないでしょうか。

 そうするとすると、表示パネルの画素数が1920 × 1080(横x縦)であるフルハイビジョンモニターでは、単純に計算しても、約207万3600画素です。1200万画素程度のデジタルカメラでも、十分な画素数であることが分かりますよね。フルハイビジョンのPCモニターや液晶TVでも、12メガのデジタルカメラ画像の約6分の1しか表示できないことになります。

 ”でも、画像全体が写ってんじゃん”と思うでしょう。これは、デジタルカメラで撮影した全体画像を縮小表示しているからなんです。縮小表示をするということは、原判から画質に支障のない画素(これをピクセルともいいます。)を間引いているからなのです。

 次に、紙への印刷を考えてみましょう。商業印刷物に使用される写真画像の解像度は、一般に350dpi(ドット・パー・インチといいます。)といわれています。dpiというのは、1インチ(2.54cm)にいくつ画素(ドット)が並んでいるかという単位です。



 はがき(148mmX100mm)に縁なしで全面印刷した場合、350dpiならば、約280万画素に相当します。人間の眼には、200dpiで印刷しても、350dpiとの差はほとんど分からないといいます。

 でも、決して単純には、低いdpiで満足して良いとはいいません。そりゃ350dpiまでは必要ないにしても、例えば、300dpiで印刷して、展覧会を開こうと思うと以下のような結果となります。

(1)全紙457×560mm 縁なし5398×6614px 画素数3570万2372画素
(2)判切り356×432mm 縁なし4205×5102px 画素数2145万3910画素
(3)四つ切り254×305mm 縁なし3000×3602px 画素数1080万6000画素

画素ってなに?

高画素神話のはじまり!


 ここで、画素について、例によって大雑把にご説明しましょう。

 イメージセンサーには、小さな光を受けるマス目が方眼紙のように並んでいて(これをベイヤ配列といいました。)、このマス目数(画素数=ピクセルともいいます。)が多いほど、被写体の緻密さ(デティル)や色を、理論上は光の点として捉えることができる(捉え切れるかどうかは別として)という訳です。

 これが「高画素 = 高画質」といわれた理由だったんですね。

 だから、より高画質にしようとすると 、画素数を、どんどん細くして行く必要がデジタルカメラの初期にはあった訳です。

 皆さんの中にも、パソコンの画面で、jpgやgifの画像をペイントソフトなで、どんどん拡大して行った経験ってありませんか。どんどん画像を拡大していくと、しだいにギザギザが荒くなってきますよね。
今度は、逆に倍率をどんどんどん小さくして行くと、画像は滑らかになっ行くこと経験したことってありますよね。大まかにいって、画素数を細かくするということは、画像をより滑らかにして行くことと思えばいいんです。

 しかも、この高画素化のながれは、イメージセンサーの大小には関係なく、進展して行きました。なので、フルサイズ一眼レフカメラだからとって、コンパクト・デジカメの画素数よりも、高画素とはいえない時代になってきています。

 ご存じのように、今やカメラ機能付き携帯電話でさえ、16.2メガピクセルの S006(ソニー・エリクソン・au)1620万画素 という製品まで、登場してきています。(SONY S006 へ)

 こうして、高画素=高画質という、”高画素神話”がなりたってきた訳です。

イメージセンサーの種類?

一般的なCMOSセンサー
イメージセンサーの種類





イメージセンサーを大きさによってでなく、センサ内部の構造の違いで分けると、電子デバイスによって、大きく4つに分けられんですね。

 1つ目は、デジタルカメラの黎明期からあるCCDセンサ です。今でも、コンパクトデジカメの一部や超大型の中判デジカメやデジタルパックに使用されています。

 2つ目は、CMOSセンサーです。これが現在主流なんですね。

このセンサーは、LSI製造プロセスの応用で大量生産ができるんです。だから、高電圧アナログ回路を持つCCDと比較して安価で、また素子が小さいことから消費電力も少なくて、原理的にスミアブルーミングという不具合が発生しないという、とても長所がたくさんあって、しかも数百MHzでの高速読み出しも行なえるんです。だから、現在、市販されているデジタル一眼カメラの多くに採用されています。

 3つ目は、 シグマ SIGMA )社という日本のレンズ供給メーカーだった会社が、アメリカの フォビオン社 を子会社化して、自社のデジタルカメラへ採用しているイメージセンサーが Foveon X3 というセンサーなんです。

これはCMOSセンサの一種なんですが、Foveon X3は、名前に3(スリー)とあるように、色に3原色ってありましたよね。理科の時間で習ったと思いますが、R=赤、G=緑、B=青を光の3原色っていいましたよね。

大雑把にいうと、FOVEONは、この3原色ごとに、1枚のセンサをもって、これを1枚の単板に合体させたようなイメージセンサーなんですね。現在、 SIGMA 社ではX3ダイレクトイメージセンサーといっています。2012年2月8日、SIGMA SD1 Merrill などの Merrliiシリーズ の発表により、開発者の故Merrill 氏に敬意を表し、このセンサーのコードネームを”Merrill”センサーとしました。

ところで、FOVEON以外のセンサーは、1枚だけ用いた、単板センサで、画素って、聞いたことある方も多いと思いますが、この画素を2×2画素に配置した画素配列 (ベイヤー配列) にカラーフィルターを上に乗せているんです。

  このカラーフィルターを用いて、光の3原色の中の一色だけを各ピクセル単位で取り込んだ後、コンピューターの演算処理によって他の色の値を求めているんです。これを、演繹補完”っていいます。


Foveon X3というセンサーは、この演算補完って必要がない分、当然、より自然に近い純粋な色の光をデータとして取り込むことができるという、原理的には大変に優れたセンサなんですね。


4つ目は、2012年2月8日、FUJIFILM X-Pro1 の発表とともに登場しました。それが富士フィルムの、X-TransCMOSセンサー です。
これは、フィルム発想の新カラーフィルター配列で、光学ローパスフィルターを使わないというものです。(仕様:23.6mm×15.6mm(APS-Cサイズ))
X-TransCMOSセンサー

つまり、銀塩フィルムの構造からヒントを得て開発した1630万画素のセンサーは、一般的なデジタルカメラのカラーフィルター配列が、細かい縞模様など、規則的な被写体を撮影するとモアレや偽色が発生しやすいのは規則正しくベイヤー配列されていることが原因である。

ところが、銀塩フィルム粒子のようにRGB素子を、「不規則に並べること」で発生を軽減することに成功したのです。


モアレの発生要因を根本から解決する新発想のフィルター配列です。非周期性を高めたカラーフィルターはモアレや偽色の発生を抑え、光学ローパスフィルターを不要にしたのです。

光学ローパスフィルターをなくすことで、レンズから入る光を十分に受け入れ、本来の解像力や描写力を限りなく高めます。

イメージセンサーってなに?

撮像素子(イメージセンサ)について


  この撮像素子には、様々な大きさがありますが、これはフィルムにも、APSサイズや中判という、6×4.5や6×7などのサイズがあったのと、少し似ています。ところで、 フィルム カメラでは、35mmというサイズが主流でしたが、この点ではデジタル一眼レフを頂点としたデジカメの世界では、やや趣が違うんです。

 フィルムカメラで一世を風靡したAPSサイズは、結局、すぐにデジタルカメラの時代がやってきて、廃れちゃったんです。

 ですが、デジタル一眼では、むしろこのサイズが主流で、これをAPS-Cサイズのデジタルカメラなどと呼んでいます。

 一方、35mmの デジタルカメラ は、フィルカメラに敬意を表して、”フルサイズ”と呼んでいます。

 では、なぜデジタルカメラは、大きさが小さいほうが好まれるんでしょうか。

 そう!イメージセンサが小さい方が、まずカメラの内部構造が小さく作れるということがありますよね。それと、大きいセンサは、やはり電力をたくさん使うんです。

 そのため、バッテリーも大きく、長持ちするものが必要になり、フルサイズ以上の一眼レフカメラというのは、とても大きく、重いものとなっているんです。加えて、結局、高価で高級な製品ともなってしまうから、プロカメラマンや一部のハイエンドユーザーと呼ばれる人々しか買わないということになってしまったんです。

 さらには、ハンディ・ビデオカメラの台頭やカメラ付き携帯電話の普及がデジタル一眼カメラやコンパクトデジカメの存在を脅かし、そのあり方にも変化をもたらしたんです。

 ところで、イメージセンサーは、大きいほど光を受け止められる量も大きいですから、写される画像も、コンパクトデジカメよりは、大きいセンサーのAPS-Cの方が好まれ、小型軽量な製品が望まれて売れる。

 その分、実勢価格もフルサイズの数分の一から十分の一も安い製品が流通してAPS-Cサイズという、デジタル一眼レフカメラが、現在は、主流になっているということなんです。

色飽和に気づかなくなるとき

 色飽和を知る方法



 写真とは、”階調のアートである”とも言われています。被写体の質感や立体感の状態が伝わらない写真というのは、写真ではありません。もし色の階調がなければ、どんなにフレーミングや構図が優れていても、ダメな作品になります。

 デジタル一眼カメラの設定やPhotoshopなどのレタッチソフトで、誰でもが簡単に彩度を上げたり下げたりすることがデジタル一眼カメラでは可能な時代です。銀塩カメラとフィルムの世界ではとても及びもつかない機能です。

 デジタル一眼カメラの設定では、特に自然を撮る方にはビビッドに設定している方も多いのではと思います。ノーマルやスタンダードでは、RAW現像しても、物足りないと感じる時にも、ビビッドに設定してRAW現像し直してみると、数段に優れた写真に生まれ変わる作品がありますよね。

 その彩度の濃さに見せられると、次第に彩度の高い色を好むように人間の眼も慣れてしまうんです、そこで、また物足りなくなって彩度を高めてしまう。他人と違う自分だけの個性を出そうとすると、より彩度の高い写真になっていく傾向がどうもあるようです。

色飽和までは行かなくとも、そのような傾向の写真には、よくお目に掛かります。でも良く自分の肉眼で自然のそのままの情景を、撮影する際に見返してみましょう。

私は、ファインダー越しに覗く世界だけではなく、シャッターを切る前や後でも、その場で自分の肉眼というカメラのシャッターも、同時に切るように心がけています。

ここで、特に酷い色飽和を知る簡単な方法を3つ紹介しておきたいと思います。
色飽和をphotoshopで知る方法です。

まず、Photoshopの情報パレットの表示を”HSB”に変更して、”S”の値を確認する方法です。その値が、100%か、もしくはそれに近い数値である時は色飽和の注意警報と思ってください。

次に、同じくPhotoshopのプリントダイアログで、”Photoshopによるカラー管理”を選び、”色域外警告”をチェックしてください。
Picture Style Editor
色飽和していると灰色に染まる部分が出てきます。これがプリントでは正しく再現されない色部分であるという意味です。


 最後に、Canonの Picture Style Editor を使う方法です。これは、ある程度までなら分かるというくらいに認識しておいてください。全体表示をするサムネイル画面と、画像編集後のヒストグラムを表示し、ハイライト、シャドウ警告表示の設定を行います。

 ハイライト、シャドウの警告は、RGB値もしくは輝度(Y)で指定でき、完全な白飛びや黒つぶれではなく、一歩手前の状態を観察することができます。
また、RGBに指定した場合、R、G、Bどれかのチャンネルが指定した数値を超えた場合に警告表示されますので、色飽和を検出する用途にも有効というものです。
 何もこのようなレタッチソフトに頼らなくてもいいように、如何に素のままの自然な色というのが美しいのか、よく”自然美”という言葉を聞くことがあると思いますが、普段から正に自然な色をよく自分の脳裏に記憶しておく努力が必要なのではないでしょうか。

 記憶した色を思い出すことを”記憶色”ともいいます。
これからは自分の肉眼というカメラで、是非、心のシャッターも切るようにしてみては如何でしょう。

彩度調整と色飽和について

綺麗に見えるからと彩度の高め過ぎには要注意!



 デジタル一眼カメラのほとんどの機種には、彩度調整の機能がありますが、その適正な調整のためには知っておくべきことがあります。


 まず、色の濃さのことを”彩度(Saturation)”といいます。色には、3つの要素、色相(Hue)、彩度、明度(Brightness)がありますが、これを”HSB”といっています。


典型的な色飽和の例
それぞれ簡単に説明しましょう。”色相”とは普段も使っている”色”のこと。赤、青、黄などの”色味”を指します。”明度”とは、もうお分かりですよね。そう!明るさのことで、明度が最大となると”白”になり、最低になると”黒”になります。よく覚えておきましょう。

 そして、彩度というのは、色の純度=鮮やかさのことです。彩度の高い色は濁りが少なくなり、黒や灰色などを”無彩色”ともいいますが、彩度が高いとは、この成分が少ないことを意味しています。


 彩度が最大になると、白飛びや黒つぶれになるのと同様に、いわば”色つぶれ”の状態になります。これを”色飽和”と呼んで、プロ写真の間では、特に忌み嫌われています。極端な色飽和の状態になると、不自然にベッタリと絵の具を塗ったような写真になりますが、これでは最早、写真とはいえません。レタッチのやり過ぎやメーカー純正のRAW現像付属ソフトでも、現在、撮影後にかなりの彩度調整ができるものも少なくありません。


 よく投稿HP画像などには、この色飽和した写真に綺麗さを見いだして、珍重されて”腕がいい”などとのコメントも、しばしば見受けられますが、それは飛んでもない勘違いですので、よく、よく、彩度調整についての理解をしておくことをお勧めします。

カメラは眼と同じ仕組み!?

眼の仕組みとカメラの仕組み


 瞳から入った光は、水晶体(カメラのレンズに該当します。)を通ったときに屈折して、網膜(フィルムに該当)で像を結びます。今この文章を読んでいるあなたの眼も、やはり同じように、光を網膜で感じとって認識しているんです。

眼に入った光が一番最初に通過するのは、角膜という透明な膜です。カメラにたとえるなら、レンズの前のフィルターのようなものです。角膜の手前で眼を守っているまぶた(眼瞼)は、レンズキャップといえるでしょう。

 角膜の奥には、虹彩という組織があります。これはカメラの絞りに該当し、眼の奥に入る光の量を調節しています。虹彩の中央部に瞳孔があって、瞳孔は明るい所では小さくなり、暗い所では大きくなりますよね。

 その瞳孔を通過した光は、水晶体で屈折します。水晶体は厚さ約5ミリメートルの透明な組織で、毛様体から出る細い糸(チン小帯)によって固定されています。毛様体の筋肉の伸び縮みによって、水晶体の厚みが調節され、ピントが合わせられます。遠い物を見るときは水晶体が薄くなり、近い物を見るときは厚くなって、常に網膜の位置でピントが合うような仕組みになっています。


 水晶体の後ろは硝子体という、眼球の大部分を占める透明な組織です。眼のかたちを内側から支える役割を果たしています。カメラでは、レンズとフィルムの間の空間にあたります。水晶体で屈折した光が網膜で像を結ぶためには、一定の距離が必要ですが、それはこの硝子体によって作り出されているんですね。

 そして網膜はフィルムにあたり、光の明るさや色合いを感じとる視細胞が密集しています。ここに到達した光の情報は、視神経を通り、脳の中の視覚野という、フィルムの現像プリント工場にあたる部分に送られて、ようやく映像となるんです。

 このように現代のカメラ技術も進歩して、だんだん人間の眼の機能に近づいてきているということを知っておくと、カメラの新機能にもなるほどとなりますよね。

 では、がんばって、イメージセンサーの仕組みについて、学んで行きましょうか。
 

 でも、ちょっと次回は寄り道になりますが、思わぬ落とし穴について、お話をします。

なぜフィルムなしで写真が撮れる?

撮像素子が網膜やフィルムの役目


 デジタルカメラは、フィルムカメラ(「銀塩カメラ」などともいいます。)のフィルムに相当する部分が、撮像素子という電子デバイスになっているんです。

大雑把にデジカメが映像を写す仕組みをいいますと、デジカメは、撮像素子に、被写体に反射した光が、レンズを通って、撮像素子(これをイメージセンサーといいます)に当たることで、センサーが感知する光の量や色のアナログ情報を、特殊なICチップ(たとえば、Canonの最新モデルEOS 1DXのデュアルDIGIC5など)を介してデジタル処理することによって、ロウ(RAW)という生情報データへ変換処理し、さらに、皆さんもどこかで聞いたことがあるでしょう、ジェイペグ(jpeg)という画像形式に変換して、私たちが眼で見えるアナログに再び変換処理して、パソコンやカメラの液晶モニターで絵として見せているんですね。

 我々が見える被写体、つまり人物ですとか風景、建物、ありとあらゆる眼に見える物のことをいいますが、この被写体を眼で見ている仕組について、ご説明しましょう。

In Great featuresとは?

In Great featuresとは

 ここでは「デジタル一眼カメラならでは」の特徴といいますか、テーマを取り上げて見たいと思っています。

 たぶん銀塩カメラにも通ずるものもあるかも知れませんが、そこはカメラというテーマである以上は、全く隔絶した説明が不可能なことはご理解ください。

 これまで取り上げたテーマも、実はデジタルカメラならではというテーマで本講座はご紹介していきます。イメージセンサーのお話などは、その典型になります。
 ここでは、より一歩踏み込んだテーマを取り上げる試みをしてみたいと思っています。

 できるだけ巷のデジカメハウツー本のようなありきたりなテーマとならないように努めたいとは考えていますので、よろしくお願いします。

 ただし、けっして巷のデジカメハウツー本が悪いという意味ではありません。
 読者の皆さんに、より広い選択の幅を持っていただくという点に意義を見いだせていただければ、「こういう切り口の解説もあるのだなぁ」と思っていただけると、幸いです。

本講座の目的について

学べるデジタル一眼レフカメラ講座の目的

まずはじめに、”学べるデジタル一眼レフカメラ講座”では、カメラの仕組みや機能を中心にご紹介し、撮影技術の向上にも役立つことを目的としています。

よく巷にあふれるプロカメラマンなどが撮影技術やプロなみの写真の撮り方などとしてハウツー本が出版されています。私も、参考に時々、立ち読みなどをさせていだくことも希にありますが、いつも疑問に思うことがあります。


主な疑問は、まず1つ目は対象としている読者の撮影技術レベルが良く分からないということ。2つ目は、撮影テクニックの解説なのか、カメラ(デジタルなのか?銀塩なのか?)機能の解説なのか、はたまたフォトコンテストなどの応募テクニックなのか、その目的が良く分からないということ。3つ目は、1,000円前後の書籍にしては、非常に内容が希薄で、本当に役に立つ情報だと著者も思っているのかということなどです。

この”学べるデジタル一眼レフカメラ講座”では、あくまでも、デジタル一眼カメラ機能から撮影技術に役立つことにも解説していきます。したがって、撮影テクニックの基本的な部分までは解説しません。

対象とする読者は、初心者から中級者を中心に、上級者の一部で、”フォトマスター検定1級(デジタル部門)”程度までの者を対象に考えています。

撮影技術に関することは、姉妹サイトの方で同じく”学べるデジタル一眼フォトテク講座”として解説及び本講座とのリンクを試みています。

 (2012.2.26現在、フォトテクの方も更新が滞っており、大変に恐縮です。2012年2月CP+2012の前後、ご存知のように、極めて多くの新しい”デジタル一眼カメラ”が発表となりました。
 最新のテクノロジーが、非常にめまぐるしい変革を遂げています。しかも、2012年3月以降も、新機種の発表ラッシュが控えている気配の様子です。そこで、もっか本講座「学べるデジタル一眼レフ講座」への加筆修正を同時進行で行っている最中ですので、もうしばらくの間は、お待ちください。)