デジタル一眼カメラのほとんどの機種には、彩度調整の機能がありますが、その適正な調整のためには知っておくべきことがあります。
まず、色の濃さのことを”彩度(Saturation)”といいます。色には、3つの要素、色相(Hue)、彩度、明度(Brightness)がありますが、これを”HSB”といっています。
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典型的な色飽和の例 |
そして、彩度というのは、色の純度=鮮やかさのことです。彩度の高い色は濁りが少なくなり、黒や灰色などを”無彩色”ともいいますが、彩度が高いとは、この成分が少ないことを意味しています。
彩度が最大になると、白飛びや黒つぶれになるのと同様に、いわば”色つぶれ”の状態になります。これを”色飽和”と呼んで、プロ写真の間では、特に忌み嫌われています。極端な色飽和の状態になると、不自然にベッタリと絵の具を塗ったような写真になりますが、これでは最早、写真とはいえません。レタッチのやり過ぎやメーカー純正のRAW現像付属ソフトでも、現在、撮影後にかなりの彩度調整ができるものも少なくありません。
よく投稿HP画像などには、この色飽和した写真に綺麗さを見いだして、珍重されて”腕がいい”などとのコメントも、しばしば見受けられますが、それは飛んでもない勘違いですので、よく、よく、彩度調整についての理解をしておくことをお勧めします。