2012-02-26

Foveon X3センサって?

次世代イメージセンサーvs.CMOSセンサー+CCDセンサー

SD1 Foveon X3 (Merrillセンサー)
 FoveonX3では、単板であるにも関わらず原理的には光の3原色をそのまま取り入れた画像を生成することができ、ベイヤ配列のセンサーでは演繹補完による画像生成を行なうため、”偽色”とよばれる実際には存在しない色が発生するといいました。

 原理的に、FoveonX3 センサーでは、3原色それぞれのセンサが同じ位置に配置されていて、原理的に偽色は発生しないという優れた特徴を持っています。

通常のCMOSセンサーなどは、この偽色を防ぐため、”ローパスフィルター(以下「LPF」という。)”っていう、とても小さなレンズ群の板をカラーフィルタの上に重ねているんですが、これが光の透過に影響して、わずかに鮮明度を落とす原因であるといわれています。

 だから、一部の大型CCDセンサーでは、潔くこのLPFを取っちゃった製品が使われています。これは、偽色やモアレが発生しやすい、模様があるんですね。

 多くの皆さんもテレビを見ていたり、カメラのレンズをのぞいていて、ネクタイや洋服の縞柄やなみなみのトタン屋根の建物などの”縞模様”や”幾何学的な模様”や”柄”なんかを撮影していて経験があるのではないでしょうか。

 そんな偽色の発生がそもそも少ない、山や谷、海、川などの自然の風景撮影が主体の大型中判デジタルカメラでは、そもそもLPFなんか必要ないじゃないか、ということで、これをとっちゃった製品が最近は出てきています。その例がPENTAX 645Dです。このPENTAX 645Dの場合は、CCDセンサーを搭載しています。

 また、2012年の2月7日に発表された Nikon D800E は、このLPFを取り除かず、 2枚のLPFの偏向フィルター特性を逆向きになるように、つまり、通常のLPFは、光を複屈折させ、μmレベルに微細の4重像を生成することで、モアレをボカス手法を行っていますが、Nikon D800E の場合は、1枚目のLPFを通った光路の画像を、2枚目のLPFに、逆向きの複屈折するLPFを入れて、物理的にLPFの効果を打ち消すという手法を採っています。


 
SIGMA SD1 Merrill
 ジェネレーションネームMerrillについて
 SIGMAでは、SD1 Merrill を発表した際、「革新的な画像キャプチャシステムを開発したエンジニアのひとり、故ディック・メリル : Dick Merrill (1949‐2008)は、優れた技術者であり、また才能あふれる写真家でもありました。アーティスティックなマインドを具現化する高度なテクノロジー。写真に対するSIGMAの変わらぬ信念と情熱を込め、新生Foveonの初代ジェネレーションネームにMerrillの名を冠しています。」